雨乞其角@納涼歌舞伎
こんばんは。
今日の蒸し暑さには参りました。
歌舞伎座、新橋演舞場ともにあと4日です。
猿之助さんの二座掛け持ちもあと少し。
体力的にツライ時かと想像します。
応援しています。
私の納涼歌舞伎は一昨日の二部でラストでした。
これからは弥次喜多の話を
ネタバレ気味で書いていきたいと思っています。
その前に。。
書いていなかった「雨乞其角」のお話です。
二部は弥次喜多とこの雨乞其角。
ガッツリ約2時間を弥次喜多に集中していた後には、
良い加減の長唄舞踊です。
あまり上演されたことがなく、
私ももちろん初見でした。
初夏の風情がとても涼やか。
約18分の短い舞踊ですが、
舞台転換がダイナミックで贅沢な一幕でした。
其角というのは、寶井其角のこと。
松尾芭蕉の代表的門人で俳人です。
其角にある様々なエピソードの一つ。
日照りが続き、農民たちが雨乞いをしている神社にやってきた其角。
農民たちに頼まれて雨乞いの句を詠みました。
「夕立や田を三囲の神ならば」
するとたちまち大雨になったという話があります。
このお話がもとになっている舞踊です。
其角は扇雀さん。
一部の花魁草を思うとかなりのギャップ。
品があり浮世離れした、何とも涼し気な風情。
まずは隅田川で舟遊び。
船頭の歌昇さんがとってもとっても粋で素敵です。
色気もあって、見入ってしまいました。
そして、舞台の盆がまわると、もう一艘の船がぐるっと正面に。
お大尽の彌十郎さん、芸者の新悟さん廣松さん、船頭は虎之介くん。
其角の船と並走になります。
新悟さん廣松さんが美しく艶やか。
彌十郎さんの大らかさもゆったり。
虎之介くんの活きの良さ。
お大尽の船が盆がまわって去っていきます。
其角は船を降り、歌昇さんの船頭で船は花道から揚幕へ。
舞台転換があり、今度は其角の弟子たちが登場。
ここで其角が一句詠むと、日照りが続いていたのに突然の雨。
弟子たちも喜び、全員で踊ります。
弟子たちは若手役者さん方。
橋之助さん男寅さん福之助さん
鷹之資さん千之助さん玉太郎さん
歌之助さん鶴松さん。
男寅さん以外は、前の弥次喜多にも出演しているメンバーです。
扇雀さんを中心に横に一列に踊ります。
これだけ大勢の若手を一気に観ることができる幸せ。
弥次喜多もそうですが、
こういうシーンが納涼の定番になればいいと思う。
思いきって、10代20代の役者さんだけで一幕設けるとか。
それくらい踊りは一人一人がワクワクさせてくれました。
爽やかで、軽やかな気分で幕。
弥次喜多だけ観るのではなく、
やはり二つ観てこその爽快感があります。
派手さはないけど、
歌舞伎座の舞台をフル活動した雄大な景色に癒され、
未来ある役者さんたちに元気をいただきました。
有難うございました。
aya。
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