三人吉三@歌舞伎座

「こいつぁ春から縁起がいいわえ」


七之助さんのお嬢吉三の名セリフ。

とても清々しく、そして胸にズンときて。。

ただただシビレました。


歌舞伎座昼の部の最初の演目「三人吉三巴白浪」

名前が同じ’吉三’の三人の泥棒のお話。

その一場面「大川端庚申塚の場」です。


この場面は何度となく拝見しました。

お嬢吉三は玉三郎さん菊五郎さん菊之助さん幸四郎さん(当時 染五郎)


初めて七之助さんで拝見したのは、

忘れもしない2011年浅草歌舞伎です。


その時の和尚吉三は愛之助さん、

お坊吉三は猿之助さん(当時 亀治郎)でした。


次は2014年のコクーン歌舞伎です。

この時の七之助さんのカッコイイお嬢は鮮明に覚えています。


でも、今回はそれを超えました。

舞台中央に立つその佇まいの風格あること!


阿弖流為やマハーバーラタ、桜の森の満開の下。

最近の印象的なお役を観るたび大きな存在になっていきました。

すごいなぁ。。毎回思っていました。


それらを経て、

古く歌舞伎の人気狂言といわれるお芝居で拝見すると

役者さんの進化がこんな私でもものすごくわかる。


言葉もきっぱりして明解。

美しくて華がある。


お嬢は女として育てられ、

男性が女装をして泥棒をしているというお役。

立ち廻りの男らしさも素敵です。


浅草で観た時とは比べものになりません。

こんな日がくるのなだなぁと感動でした。



浅草と言えば、

今回、お坊吉三を演じる巳之助さんも、

2016年にお坊を演じています。


この2年は大きかったのだと胸が熱くなりました。

共演する七之助さん獅童さんに食らいついていく気迫。


特に初めはお嬢と対峙するので、

同等の風格であってほしいと勝手に思っています。


侍あがりの泥棒。

何とも譲れない芯があり、育ちの良さも感じて、

個性が立っていました。

惹き込まれました。


お嬢とお坊が百両を巡って争うところに、

止めに入ってくるのが和尚吉三の獅童さん。


元はお坊さんの泥棒です。

獅童さんは台詞回しに少しユーモアがあり、

今まで観た中で、和尚よりちょっぴり三枚目感がありました(笑)


親分的な雰囲気は抜群で、

二人が和解してしまうのが自然で面白い。


「面白いことになってきた」


和尚がそんなことを言うのですが、

私も激しく同意してしまうほど、

この後の芝居をこの三人で観たかったです。


そんなワクワクする余韻を残して幕。


そうそう、幕開きに登場する夜鷹のおとせは鶴松さん。

コクーンの時と同じですね。

歌舞伎座で鶴松さんがこのお役というのも嬉しかったです。



あっという間でした。

新鮮な組み合わせで面白かったです。

とにかく七之助さんがかっこよかった。



この後は勘九郎さんが登場です。




aya。







aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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