雙生隅田川。

こんばんは。

秋が深まっています。


大阪の旅を綴っています。


開場時間になったので、さっそく松竹座内へ。


右團次さん齋入さんの襲名披露興行です。

写真は祝い幕。


開演時にはまだなく、途中から出現します。

熱を持っているような真っ赤な色。

劇場内の全部が赤に染まっているようでした。

なんて情熱的な祝い幕。


雙生隅田川(ふたごすみだがわ)は、

三代猿之助四十八撰の内です。


昨年1月、新橋演舞場で行われた同じ襲名興行でかかりました。

当時の市川右近さんが市川右團次を襲名し、

6才のタケルちゃんは市川右近を名乗り初舞台でした。


右團次さん猿之助さん右近ちゃん三人で宙乗りをして、

右近ちゃんは宙乗り最年少になりました。

現在の最年少はカンカンですけど。


昨年までは猿之助さんが宙乗り最年少でした。

9才の時に右近ちゃんと同じ役で翔んでいます。


右團次になり髙嶋屋になっても、

おもだか屋のお家芸で襲名興行をなさることはとても嬉しく、

もちろん今回も同じ想いでした。


あれから約2年が経ち、

舞台はすっごく進化していました!


猿之助さん演じる班女御前は、

右近ちゃん演じる梅若丸松若丸の母です。


以前の印象よりも、

大地を感じるような愛情と落ち着きがありました。

もっと若さが立っていたけど、

それよりも揺るぎない優しさ、温かさを感じました。


色香も増していてびっくり。

力みがなく、とても円やかでした。


だからかもしれません。

私の心も穏やか。

観ていて安心なのです。

母役も板についたなぁ(笑)


右近ちゃんとのシーンも優しかった。

その佇まいが優しい。


双子の息子を失って、気がふれてしまう。

哀しみは深く。。

猿之助さんは圧倒的な存在感でした。


このシーンの語りは、

葵太夫と、中堅若手です。

翔太夫と昨年初舞台の樹太夫、拓太夫。


猿之助さんに気を取られがちですが(笑)

是非、全体を楽しんでほしいと思います。

前回と雰囲気が違って感じるのはそこもあるかも。


特に、!!と思ったのは、

鯉つかみの場面です。

翔太夫樹太夫拓太夫の三人だけでしたが、

すごく生き生きした語りで力強く、場面に勢いが増していました。


義太夫の印象が濃く残りました。


右近ちゃんは成長したなぁと感動でした。

以前は健気でしたが、

今ではしっかり芝居心が身についたよう。


早替りが鮮やか過ぎて(笑)

客席の反応は新橋のほうがあったように思いました。

それにしても末恐ろしい。


右團次さんはもう安定のお役。

当たり役だと思う。


猿島惣太は非道なのだけど、

熱い心を持つ、吉田家の家来でした。


知らなかったとはいえ吉田家の梅若を殺してしまい後悔し、

自害して、一念から天狗になります。


七郎天狗になってからの迫力の凄いこと!

天狗の舞は、おもだか屋らしくてとても好きな場面です。


天狗と言えば、

驚いたのが次郎坊天狗の廣松さん!

成長著しい!


前回も上手いと思ったけど、

各段に魅せる天狗になっていました。

いろんな経験を経て今があるのだと感動でした。


それに米吉さん!

梅若松若に仕える小姓。

小姓姿が美しい。


声がきっぱりしていて、場面をグッと締めています。

安定感があり華がある。

登場しただけで場が明るくなります。


そして前回、猿弥さんがなさっていた悪役を九團次さんが演じています。

役者が変わるとこれほどまでに芝居が変わるのかと。

悪に徹した九團次さんワールドでした。


海老蔵さんの登場に会場が湧きました。

花道から出て、笠を取るまで。

心憎いですねぇ。

そんなに動きがある役ではないのですが、

ついつい目が行ってしまいます。


海老蔵さんがいて、中央に右團次さん右近ちゃんがいる。

それだけで奇跡の場なのかもしれない。


本水を使った鯉つかみ。

さすが右團次さんです。

迫力満点で、少しユーモアもあり楽しい。


水の中の立ち廻りは私も盛り上がりました。

弘太郎さんが入ってくると嬉しい(笑)

おもだか屋のお家芸ですから。

これこれ!と思ってしまう。


前回、中車さんだった役を鴈治郎さん。

上方で襲名興行を観ている実感が湧きました。



三階席の鳥屋付近で拝見し、

宙乗りで猿之助さんが翔んでくる間が、

夢のようでした。


あの日から一年。

こんなにも心穏やかに観劇できるなんて。


皆がそれぞれの想いで祈りました。


猿之助さんのファンへの思いは届いています。

すぐにメッセージをくれたことをはじめ、

舞台復帰、ルフィ復帰。。。


演じている役を通じて、

舞台に立つ姿を通じて、

その思いは届いています。


そして一年の日。

変わらぬ姿に猿之助さんの思いを感じました。


この幸せが続きますように。

猿之助さんを信頼し、応援していきたいと改めで思った一日でした。


有難うございました。



来月はいよいよ歌舞伎座で主役です。

とことん暴れちゃってほしい!

待っています。


ホテルまでの帰り道、

気分が良くて、久しぶりに一人で飲みました。

自家製チーズが美味しくてさらにHappy!

素敵なお店に出合いました。


次の日は奈良まで足を延ばします。




aya。



aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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