幸助餅@歌舞伎座

こんばんは。


師走の歌舞伎座昼の部に行ってきました。

昨日の初日が開けて二日目。


壱太郎さんの「お染の七役」がお目当てでしたが、

その前の「幸助餅」にやられた(笑)

笑って泣けました。


初めて観る演目でした。

ノーマークだったので、

観終わってから色々と調べました。


松竹新喜劇の傑作だそう。

歌舞伎の世話物として再構築され、

初演が2005年大阪松竹座です。


以来、大阪、金丸座、博多座で上演。

今月歌舞伎座初上陸です。


主役の幸助は今までずっと鴈治郎さんだったよう。

今回初役で松也さんが演じています。


力士の雷(イカヅチ)を演じるのは中車さん。

金丸座に続いて二度目です。


イヤホンガイドでも松竹新喜劇の話が登場しました。

上方色強いお芝居がちょっぴり好みでない私は心配がよぎりましたが、

松也さんが演じることでたぶん私好みのテイストになっていたのかも。

とても楽しくて、のめり込んだのです。




贔屓の力士、雷に入れ込み過ぎて、

餅米問屋の若旦那の幸助は身代をつぶしてしまう。


妹を廓に身売りさせて得た三十両で店の再興を誓います。

でも、偶然出会った雷に贔屓の血が騒ぎ、

持っていた三十両を大関になった祝儀として渡してしまう。


雷は、幸助が身代をつぶしたことを知らず、

祝儀を受け取ってしまう。



幸助の松也さんは、なよなよっとした色男。

相撲ファンのスイッチが入り、

熱く語る様子は私自身に重ねてしまう(笑)


皆様もそうだと思いますが、

贔屓の役者について話し始めると止まらないですよね。


雷が好きで好きでたまらない。

雷のためなら死んでもいい。

そんな幸助さんです。


雷は中車さん。

力士姿がかっこいい!


おそらく松也さんのほうが大きいと思うのに、

三階席から見たら中車さんのほうが大きく見えます。

お二人の演技が素晴らしいということかと。


見た目だけでなく、情に厚く懐深い。

にじみ出るあったかさ。

こんな人の贔屓でありたい。



幸助の女房と叔父がお金を心配して迎えにくるも後の祭り。


二人に説得され、

雷に訳を話してお金を返してほしいとお願いする幸助。

しかし、雷は一度いただいたものは返さない、とつっぱねます。


幸助の贔屓熱は一気に下がります。

雷を恨む幸助家族。

この出来事をきっかけに奮起して餅屋を興し、

’幸助餅’はどんどん繁盛していきます。


そして、お店に雷がやってきて。。。。。



幸助の年上女房は笑三郎さん。

もう、何だかほっこりするんですよね。

しっかり者だけど、角がなくて、幸助LOVE(笑)


ちなみにこの女房を猿弥さんが演じたこともあるらしい。。。


叔父は片岡亀蔵さん。

さらにほっこりします(笑)

可笑し味たっぷりです。


幸助妹は児太郎さん。

安定の健気さでカワイすぎる。


この家族があったかい。

身代つぶした幸助を温かく見守るいい人たち。


それに、廓の女将、萬次郎さんが素敵!

こういう全てを知って見守ってくれる人がいるのは幸せです。


芸者の笑也さんがサイコーに美しい。

少しのお出番ですが、インパクト大。


萬太郎さん廣太郎さん竹松さん、若手も世界観にハマってます。


笑野さん猿紫さんが一緒に登場すると心で’わーい’となるし、

幕開きの欣弥さんにちょっぴりチャルロスを想う(笑)

猿三郎さんはテンション高めなお役で大活躍!



ラストシーンは予感がしていても泣ける。

でもこんなに泣けるとは思わなかった。


幸助と雷。

羨ましくもあり、憧れる関係でもある。

幸せな涙だなぁ。


幸助餅が食べたくもなる(笑)


松也さんの美声も楽しめる瞬間もあります。

久しぶりに歌舞伎座に登場です。

何だか存在感が増していました。


幸せ気分になれる一幕です。

有難うございました。




aya。





aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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