お染の七役を観て。

こんばんは。


朝からバタバタの一日でした。


起きたら通勤ルートの電車が走ってない!

でも最初からわかっていると、

落ち着いて別ルートを探すことができ、

早めに家を出たのでギリギリ遅刻は免れました。


ホッとしたお昼過ぎ、

ソフトバンクが通信不能に。。。

1月の国立劇場のチケットを取ろうとしたら判明。

帰宅してからチケットは無事に購入できました。


そんなこんなで何だか頭をいつもより使った一日でした。

お陰様で無事に一日が終了です。



さて、先日拝見した歌舞伎座昼の部「お染の七役」

壱太郎さんが初役で務めています。


あぁ、新たな’お染の七役’を演じる役者さんが誕生したのだなぁ。

その瞬間に立ち会うことができて幸せでした。

とても感慨深い時間を過ごしました。


序幕で怒涛の早替り、

二幕目ではじっくりお芝居を魅せて、

大詰ではさらなる早替りと舞踊、立廻り。


壱太郎さんは淀みなく、

玉三郎さんの教えどおりなさっていたのではないかという印象です。

それぞれのお役のお芝居が印象に残ります。


私が一番エキサイトしたのが大詰です。

鮮やかな早替りの後は、お光の物狂いの舞踊。


恋が叶わないことから心が病んでしまう。

可愛らしさに切なくなる。


梅枝さんと松也さんが、

このシーンだけ登場して踊ります。

何だかお二人と壱太郎さんが華やかで眩しかったです。


ラストは’お六’になって立廻り。

凛とした姿が美しく明るい余韻で幕になるのが嬉しかった。


壱太郎さんは、まだ何色にも染まっていなくて初々しかった。


でも。。

そもそも三代猿之助四十八撰にある、

おもだか屋の型とはかなり違っていたと思う。

猿之助ファンだからだなぁ。。

物足りなさが残りました。


猿之助さんの時は、もっと早替りの回数が多かったと思うし、

お家芸ということもあり、年季が入っているから当然なのですが、

猿之助さんのスピード感とリズム感が恋しくなってしまう。


序幕に怒涛の早替りがやってくるのが、

おもだか屋パターン。


8月の弥次喜多でも

序幕で中車さん方三人が何回早替わったことか(笑)

でもこれでお客の心が鷲掴みにされる。


壱太郎さんの序幕の早替りも期待していました!

あんなに広い歌舞伎座なのに、とっても速かったしスマート。

ハケる時にギリギリまでお客にお顔を見せていて楽しかった。


でも拵えを変えて登場しても客席があまり湧かなかった。

それが残念なのです。

すごいことをしているのですよ、壱太郎さんは!

と声を大にして言いたいくらいでした(笑)


これが初役、初体験というものなのだと思いました。

だからそういう意味ですごく興味深いし面白かったです。

テクニックは申し分ないけど、何かが足りないというか。。


だからこそ、この先ずっと壱太郎さんのお染~を観て

どんなふうに進化をしていくかを楽しみたくなりました。



猿之助さんの早替りは、

登場すると客席がざわつき、

どんどん盛り上がっていくのです。


序幕で何役も魅せておいて、

大詰の疲れてきたところでさらに追い込みの早替り。

もうこの頃は猿之助さんを応援したくなっちゃうほどお客は入り込む。



私は早替りが大好物、ちょっとフェチ気味(笑)

幸四郎さんの「伊達の十役」も日帰りで博多に観に行きました。


何でおもだか屋の早替りが好きかと言うと、

体中の血が一気に逆流するくらい、ワクワクするのです!

サイコーに楽しませてくれます。


着替えに行ってくるよ~という感じで去り、

で、数分、もしくは数秒で、

また猿之助だよ~という感じで登場する。


舞台裏をバタバタ走る音、

登場した時にわざと襟や帯を直したり。


全てがお客のためのサービスになり、

観ているうちにどんどん胸が熱くなる。

あの会場の一体感は忘れられません。


いつも「わーお!」と声に出ちゃうくらいエキサイティング!

魔法の粉をかけらちゃう。



また、二幕目のほとんど登場している’土手のお六’

江戸の悪婆として有名なキャラクターです。


壱太郎さん、悪婆自体が初役だそう。

立ち姿や仕草がカッコいい。

でも言葉が少しおっとりしていて、

江戸っ子の私にはムズムズするかなぁ(笑)


きっと千穐楽までには進化して、

もっと締まってくるはず。


猿之助さんのお六が良い意味で最悪だったので(笑)

あのドロドロした感じを思い出すと、

壱太郎さんは清潔感がありすぎました。


お六は根っからの悪ではないので、

よいとは思うのですが。。


亭主の鬼門の喜兵衛、松緑さんはドロドロしていたのですけど(笑)


猿之助さんの時は現幸四郎さんが喜兵衛でした。

夫婦で駕籠を担ぐ時は、

もう少し会話があって、いつもお客を笑わせてくれました。

悪の匂いがプンプンする夫婦(笑)



何だか猿之助さんばかりを想い出してしまう。

観たら色々と記憶が甦ってきてしまいました。


それに、おもだか屋の工夫を惜しげもなく、

中村屋と手を携えて、成駒家の皆様へ。


私が言うのはずうずうしいと思うのですが、

舞台を観ながらおもだか屋のファンとして誇らしかったです。


お芝居で、裏方で、

一門の皆様が壱太郎さんをサポートしていることを想うと、

感動が止まりませんでした。


ラストの立廻りのトンボで喜楽さんが活躍していて、

心でガッツポーズしたし(笑)


全体的にテンポアップしたら印象が変わってくると思う。

私が拝見したのはまだ2日目。

まだまだ進化する予感。


おもだか屋ファンの皆様にも観てほしいです。



楽しませていただきました。

有難うございました。




aya。




aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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