松浦の太鼓@歌舞伎座

こんばんは。


昨晩から今朝にかけての台風には参りました。

最寄り駅で入場規制があり、

1時間待って電車に乗ったものの満員以上の満員電車。


職場に遅刻して到着しましたが、

まだ上手の方がたくさんいてびっくり。

朝に家を出て、午後に会社に着いた人もいました。


無事に仕事が終わると、

やっとホッとできて、皆でアイスを食べに行きクールダウンしました。


たくさん笑ったら疲れが吹き飛び、

仲間っていいなと改めて思いました。



さて、先日に拝見した秀山祭九月大歌舞伎のお話。


夜の部三つ目の「松浦の太鼓」は、

三世中村歌六 百回忌追善狂言です。


私は家系のことはよくわからないので、

これを機に三世歌六さんのことを調べて臨みました。


三人の息子さんがいらっしゃいました。

初代吉右衛門、三世時蔵、十七世勘三郎。


いやいやいや、そうそうたる息子さん方です。


初代吉右衛門の養子になったのが、当代の吉右衛門さん。

だから三世歌六は当代の祖父にあたります。


また、三世時蔵の孫が当代の歌六さん、又五郎さん兄弟。

だから三世歌六は曾祖父にあたります。


昼の部の「沼津」は、

初代吉右衛門と三世歌六が共演した演目。

それを当代二人が演じているわけです。


「松浦の太鼓」は秀山十種の一つです。

秀山十種とは、初代吉右衛門の当たり役を集めた十演目のこと。


今回、歌六さんは初役で務めています。


私は当代吉右衛門さんの松浦候を拝見したことがなく、

吉右衛門さんの松浦候に憧れていたという幸四郎さんで2回観ています。


幸四郎さんが初役で務めた巡業で観た時、

面白くて一時も退屈することがありませんでした。


その後、歌舞伎座で幸四郎さんが演じた時は、

吉右衛門さんを感じる演技に感動でした。


歌六さんの松浦候もとても楽しみにしていました。


期待していたとおり!

愛嬌があって憎めない!

品があって、ワガママで。


まあ、めんどくさい人なのです(笑)

そこが好き。


お隣さんの吉良さんのお家に、

早く赤穂浪士が討入に来てくれないかなぁ。

ウキウキして待っているのです。


この松浦候のキャラに出会った時は、

とてもショッキングでした(笑)


私が観てきた忠臣蔵に関するお芝居は、

どれも明るくなく、壮大な感じでした。


大石内蔵助や赤穂浪士、その家族や関係者。。

耐えて忍んで、切なくて。


それが、こんなにも正義感に溢れ、

赤穂浪士を純粋に応援し、

討入をこんなにもウキウキ待っている人がいたなんて!


松浦邸の中でだけで起こっている。。

その世界を妄想しただけで可笑しい。


一筋の光というか、救いというか。

心がスカッとしました。


山鹿流の太鼓の音を聞く時の心躍る様子は、

松浦候のドキドキを表す音に思えます。


大石と同じ太鼓の流派なので、

叩き方で、大石が来た!とわかったのです。


その時の喜びようが最高に可愛らしい。


歌六さんの第一歩ですね。

きっとこの先も演じていくのだろう、

そう思わせてくださり、

何よりとっても楽しい松浦候でした。


俳人の宝井其角は東蔵さん。

ちょっとおとぼけな風合いが、

せっかちな松浦候と対照的で面白かったです。


年の功。

説得力あり、最初の又五郎さんとの場面は印象的で、

後半にしっかりとシーンが浮かんできてよかった。


このお芝居、唯一の赤穂浪士、大高源吾は又五郎さん。

もうこれぞ赤穂浪士(笑)


耐えて耐えて。。

そして本懐を遂げて興奮している様子に引き込まれました。


大高源吾の妹、お縫は米吉さん。

ますます美しい!


男性ばかりのお話の中に花一輪。

雰囲気を柔らかくしてくれ存在感ありました。


歌昇さん、種之助さん、鷹之資さん、吉之丞さんらの側近たち。

松浦候のご機嫌取りが面白く、

好みですが、もっと大げさでもいい気がしました。


あ、でもこの人たちが面白いので注目です。



興味あるものに一途な気持ちはよくわかります。


男のロマン!?なのかはわかりませんが。。


家臣の前で浅野内匠頭を羨ましがるとは(笑)

でもやっぱり何だか憎めないのですよね。



楽しませていただきました。

有難うございました。




aya。




aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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