うかれ心中。

こんばんは。


ワンピース博多公演は来週火曜日の千穐楽まで、

あと一週間をきりカウントダウンです。

昨年秋から始まった大航海のラストが見えてきました。

寂しいな。。


昨日の明治座、中村屋兄弟と菊之助さんの共演が新鮮でした。

あぁ猿之助さんの同世代との共演を観たいとふと思う。

6月はお待ちかねの染五郎さんですから今からワクワク。

もうすぐです。


ここからは内容に触れますのでご注意を。

明治座の昼夜を拝見して、どれも楽しかったのですが、

「うかれ心中」は私の血が騒ぐ演目でした。

何でしょうね、花道にワイヤーが見えるだけで心がザワつきます(笑)


勘九郎さんの宙乗りを観たのは初めてです。

しかも、大きなネズミちゃんに乗り、激しく動いたり、

紙吹雪が飛んできたり、物凄く派手派手しい。

曲もディズニー♪


明治座は三代目猿之助に所縁が深く、宙乗りの設備が万全です。

四代目が本公演で「四の切」を初めて演じたのがこの明治座。

以来、何度も宙乗りを観てきましたが、今回びっくりしたことがあります。


勘九郎さんが上がって行き始めてから鳥屋が天井から降りてきた!

この劇場の鳥屋は客席に設置ではなく、

天井から客席の上に自動で降りてきます。


二階席右側の席に座っていたのでその光景がバッチリ見えました。

私的にツボなシーン(笑)


井上ひさしさんの「手鎖心中」が原作です。

昨年夏に観た「もとの黙阿弥」を思い出します。

劇中とっても楽しいのですが、ラストにグッとくる。


絵草子作家として売れたい栄次郎は、

様々な茶番を繰り返し名を上げようとします。

しかし、その茶番がもとで恨みを買い、殺されてしまいます。


今回も、勘九郎さんの底抜けな明るさに笑っていたら、

大詰で心をギュッと掴まれたような切なさがやってきました。


勘九郎さんに勘三郎さんが重なるというより、

演じている姿が想像できました。

笑わせて笑わせて笑わせて、ほろっとさせる。


私は勘九郎さんの栄次郎だったと思いました。

勘三郎さんをなぞっているかもしれないけど、やはりテイストが違う。

そして、勘九郎さんに合っているお役でもあると感じました。


笑いの向こう側にある、心の中のもの。

それを優しく包み、それでいいんだよ、一緒に笑おう。

中村屋のお芝居にいつもそう想わせてもらっていました。

勘九郎さんからも同じように力をもらいました。


それに、役者さん皆さんが化学反応を起こしていて楽しかった。

菊之助さんのコメディセンスは抜群ではないですか(笑)

可愛らしい嫁が、男声で啖呵をきる!あれは笑いました。


新悟さんが突き飛ばされて海老ぞりするし、

梅枝さんの花魁道中は美しすぎるし、見どころたっぷり。


太助役の亀三郎さんは「地球投~」の時を想いました。

勘九郎さんとコンビもいいなぁ。

栄次郎の茶番劇をいろいろとサポートして演出します。


ラストに後の’式亭三馬’と明かされる、実は物語の芯となるお役。

仏になって’ちゅう乗り’する栄次郎を見送る太助。

’茶番は本気に勝てないのか’

太助はきっと茶番が真になることを信じて書いていくのかな。。

そんなキュンとしたラストでした。


ウソップを想いました(笑)

’重ねた嘘が真になり。。’

名乗りが大好きな私は頭に浮かんでしまった。


相手を想う茶番は、いつか本気に勝てると信じたい。


中村屋は心にグッとくる。

まだご覧になっていない方、叶うならば観てほしいです。

楽しませていただきました。

有難うございます。



aya。



aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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