寺子屋@歌舞伎座

こんばんは。


隼人さんのラジオ番組「邦楽ジョッキー」

今週からはラスベガス特集です。

現地の空気をラジオから届けてくださっています。

お客様の反応が新鮮で「毎日がワンピース千穐楽のようでした」

という言葉が印象的でした。


また、今晩は段之さんと徳松さんの歌舞伎夜話でした。

私は行けませんでしたが、参加なさった方のレポをTwitterで

リツイートしてありますのでよろしければ覗いてみてください。


さて、歌舞伎座昼の部へ行ってきたお話。

「寺子屋」が一番心に残っています。


「菅原伝授手習鑑」の四段目にあたります。

私もまだまだ深く知らないお話です。

人気演目で、ところどころの場面がよくかかります。

「寺子屋」も何回か観てきました。


ストーリー全体の主軸になるのが三つ子の松王丸、梅王丸、桜丸。

お百姓さんの子供ですが、三つ子が縁起がいいということで、

菅原道真(菅丞相)に取り立ててもらうことになりました。


それぞれが高貴な人の牛飼い舎人になります。

その後、主人たちが敵対するようなってしまい三つ子も巻き込まれてしまいます。

梅王桜丸は菅丞相方、松王は敵方です。


「寺子屋」は、菅丞相が敵の罠にかかり大宰府へ左遷された後、

左遷のきっかけを作って責任を感じた桜丸が自害した後のお話。


菅丞相の子、菅秀才を敵から守るため、

寺子屋をしている菅丞相の弟子の武部源蔵夫婦がかくまっています。


しかし、寺子屋に菅秀才がいることがバレてしまいます。

敵方が来たら、菅秀才の首を差し出すことを命じられた源蔵は、

心も重く家に戻ってきます。


源蔵は松緑さん。

花道の登場でグッと場面が締まったような感じ。

思い悩む様子はこの後の悲しさを暗示しています。


忠義に溢れ、緊張感ある風情が観ていてドキドキしました。

松緑さんの源蔵が好きです。


妻の戸浪は梅枝さん。

梅枝さんの女房役も最近気になっています。

芯があり強く、夫を支える様子は素敵です。


寺子屋の子供たちがすごく可愛い。癒されます。

涎くり与太郎は、廣松さん。

お茶目で面白くてよかったです。

私の近くの外国の方が妙にウケていました(笑)


そこへ寺子屋に自分の子を入れるため母子がやってきます。

実は松王の妻、千代。菊之助さんです。

菊之助さんは東京では初めての千代だそう。

その存在感にびっくり。

身分を明かしませんが、只者でない空気感がすごいです。


そして、松王丸たちがやって来て「首実験」で菅秀才を探します。

松王丸は海老蔵さん。

登場した時、拵えのせいもあるのですが、見た目が大きくてびっくりしました。


菅丞相に恩がある松王だけが、菅秀才の顔を知っています。

子供たちの顔を一人一人調べ、

どれも違うとわかると机の数と人数が合わないことから、

源蔵夫婦を問い詰めます。


子供を持たない源蔵は新しく入ってきた子供の首を落とし、松王に差し出します。

松王は、その首を菅秀才だと言い切り、嘘をつきます。


この首を見る様子は團十郎型だそうです。

実はその首は松王自身の子供の首でした。

そのことを知って見ると本当に切ない。

海老蔵さんの空気が見た瞬間変わるのがわかりました。


松王は敵方にいても菅丞相のことを想っているのです。

その後、千代がやってきて自分の子供が役に立ったことに安堵します。

ここで源蔵夫婦は真実を知るのです。


「梅は飛び 桜は枯るる 世の中に などてか松の つれなかるらん」


菅丞相の歌です。

松王を信じている、という想いが込められています。

この歌を松の枝に結んで源蔵宅へ投げ入れます。


菅秀才は松王のお陰で助かりました。


海老蔵さん菊之助さん松緑さん梅枝さんの力強い演技は、

お芝居をとてもドラマティックにしていました。

古典も若い人たちで観るとまた違った味わいですね。


世代が自分と近いとお話自体に親近感が湧いてきます。


こんなにストーリーに入り込めたことが楽しかったです。

團菊祭満喫!という感じ(笑)


全員が適役で見応えありました。

いい組み合わせです。皆様も是非♪

有難うございました。


今晩この後23時~Eテレ「にっぽんの芸能」で、

システィーナ歌舞伎が放送されます!楽しみ。



aya。

aya's lounge

歌舞伎に出合って 何だか人生変わりました。

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